タランティーノ一押しのNetflix作品。ドクタースリープやジェラルドゲームなどで知られるマイクフラナガンが監督したホラードラマ。母親を失った5人兄弟とその父親の話。
タルコフスキーの鏡やテレンスマリックのツリーオブライフにも通ずる傑作でした。ホラードラマとは思えないほど感動したし、心を動かされる瞬間も少なくはなかったです。今作はホラーの皮を被った素晴らしい人間ドラマで、喪失と再生を見事な構成で描いています。撮影、脚本、編集、そして何よりも演技のレベルがとても高く、そこら辺の人間ドラマがテーマの作品よりもよく出来ていました。一人のキャラクターに二人の俳優をキャスティングしていましたが、細かな仕草、喋り方、行動パターンが同じで、人物像の表現がしっかりしています。
全体的に凄く良いドラマだったんだけど、細かなところで気になったのが2つ、回想で同じシーンを何度も映していたことと、映像の色合いがわざとらしかった部分です。終盤にかけて同じ場面を繰り返していて、編集が良い作品の割には物語を間延びさせてるような感じがしました。映像の色に関してはドクタースリープとか真夜中のミサとかこの監督の他の作品にも言えることですが、照明ではなくカラグレで色をいじるのは安っぽいし、別に怖くもないのでやめた方が良い手法だと思います。
個人的には4話、5話、6話が神ムーブでした。Netflixが入っている人はホラーが苦手だったり、ドクタースリープが嫌いでも、今作は見た方が良いです。たくさんの人に強くオススメ出来る素晴らしいドラマでした。
