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ザ・ボーイズ シーズン2のmegurosのレビュー・感想・評価

ザ・ボーイズ シーズン2(2020年製作のドラマ)
4.0
新たなキャラの登場で展開が早まり、ヴォートの秘密が明らかになり、キャラクターの過去が掘り下げられ、シーズン1よりもグロさ・キモさもスケールアップ。

しかし、話が進めば進むほどご都合主義も目立つようになり、カールやその他ボーイズは流石に腕の一本は失わないと出来過ぎな気もしてきた。シーズン3は主要キャストの死亡、セブンの抹殺・入替、スーパーテロリストや子供能力者の暴走、それを大統領選のような選挙戦を背景に盛大にやらないと短命に終わりそう。

とはいえシーズン2は見所が少ないわけではなく、ホームランダーは母乳の残りを飲んでは淋しがり、MILF感たっぷりのエリザベス・シューをドッペルゲンガーのオッサンに演じさせ甘えてみたりとキモさは前作を軽く凌駕。ヴォートがヒーロー企業でなく製薬企業であったことが判明し、生産された新しい能力者による第1話のジェニファー・エスポジート爆殺、そして第7話の公聴会シーンも含めて良かった。とはいえ飽きはあるはずなので、次シーズンではそれを防ごうとする人間たちの工夫や、新しい能力者も期待したい。

ソーシャルメディアを駆使する(ゲッペルスから学んだという)ストームフロントの加入によって現代批評的視点が強まったのも良かった。第7話ではSNSやメディアを通じた陰謀論によって商店の移民店主が撃たれる展開があったがこれは明らかにピザゲートを意識。スーパーテロリストという仮想敵を立て、恐怖心を煽り、肌の色によって人を差別する白人大虐殺(White Genocide)がこの国で行われているとする展開は、現在のアメリカを可視化するような話だと感じた。
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