しおえもんGoGo

ザ・ボーイズ シーズン2のしおえもんGoGoのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・ボーイズ シーズン2(2020年製作のドラマ)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

前半は割とみんなバラバラで、光の解放軍やら共同教会やらいろいろ出てくるし、皆一体何をやってるのかという感じだったけど、後半にみんなが一致団結する辺りから俄然テンションが上がる。

最初サバサバしたいい感じの人だと思っていたストームフロントがサイコパスだと判明して、ホームランダーがいいように手玉に取られてるのを見てなんかちょっとムカつく。「そんな新参者相手に何やってんの、もっとしっかりしてよ」という気分になってくる。役者の演技力もあってホームランダーは悪役として非常に複雑な魅力があって、なんか味方したくもなってくる。
一方のストームフロントもみんなのヘイトを一身に背負えるキャラであり、最後の究極のキャットファイトは本来なら1vs3で絵面としては不公平なはずなのに、爽快感を感じさせる悪役っぷりはさすが。
自分の恋人が集団で一人をボコボコにしている光景に男共があ然としながら遠巻きに見ているしかない図というのが非常にシニカルで面白かった。

相変わらずアメリカの闇の部分を描くのが上手く、特にクイーンメイブがレズビアンだとアウティングされた後のメディア戦略での扱いには笑ってしまう。女っぽい二人のレズビアンは問題だからエレナは男役で、みたいな、「LGBTに理解がある」と自認する大衆が持つ固定観念や、レインボー運動に理解ありますアピールの欺瞞とか、すぐにブランドとして消費されていく滑稽さよ。

またストームフロントの煽動によって大衆が激化して先鋭化していく様子。かと思えば”いい側”であるはずの反ヴォート側にも裏があるという展開も、トランプ以降 国が二分するアメリカの現状を皮肉っている。

その他
・ディープが自分の体への根強いコンプレックスを持っている描写は結構グッとくるものがある。
・クジラの土手っ腹貫通は可哀想だけど笑ってしった。ここまでやる?ディープの扱いを見てると環境保護団体への揶揄いもあるのかな。
・キミコがどんどん可愛くなっていつの間にかビューラー&マスカラまで!フレンチーとも仲良くなって嬉しい。
・努力は認めるがキミコの弟の日本語にも字幕付けて欲しかった…。日本のドラマで外国語喋ってるシーンも現地の人から見たらこんな感じなのかな。
・フレンチーの罪悪感やMMの父親の話等、掘り下げがあって良かった。特にフレンチーの「救ってほしくない」からの、キミコへの理解が深まる所が良い。
・本来はヒューイが善良な常識人枠のはずが、ちょっと青臭く身勝手に見えるところもあるので、MMこそが唯一の常識人枠。家族の元に戻れて良かった。
・毎回マロリー大佐のカッコよさに惚れる。
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