河

ザ・ボーイズ シーズン3の河のネタバレレビュー・内容・結末

ザ・ボーイズ シーズン3(2022年製作のドラマ)
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このレビューはネタバレを含みます

人物や組織の行動とその結果が現実的な実感から絶対に外れないのに加えて説明も丁寧でわかりやすい。前シーズンまで説明されていなかったところも意味付けされていく。その辺がかなりしっかりと固められていて、逆に言えば物語的な展開としては意外性がありつつも、新規人物以外はその行動の飛躍がなく、想像する余地も少ない。

一番未知だったホームランダーもかなり説明されつくされてしまい、前シーズンまでの母乳飲むシーンとか月に向かって射精するシーンとかのあの未知だからこそ飛躍的に見える行動の最高さがなくなってしまったように感じる。このシーズンでも同じようなシーンはあるけど、前シーズンのような凄まじい感覚はない。その辺が個人的に退屈だったところのように思う。

組織、構造に対して無力であるはずの個人がそれに抵抗するほどの力を持ってしまっている世界設定だからか、組織や構造は所与のものとしてそれらには焦点があたらず全てが個人の話に帰していく。その力のバロメーターのようになっているのが大衆からの支持で、それはマーケティングによってメディアを通して実現される。大衆がその組織や構造、スーパーヒューマン達よりも力を持つ存在としておかれている。企業のバックアップにより権力を持つ個人と大衆の話として、ほとんど政治ドラマのようになっている。

スーパーヒューマンとその企業に対するテロによって戦っていた主人公達が、組織のバックアップにより合法的にスーパーヒューマン達を抑制しているというところから始まる。そこからそれぞれの動機を元に、テロ的な行動に戻る人物達と、メディアを通した大衆の奪い合いとして同じ土俵で戦う人物達に分かれる。互いを想像してサポートすることがキーとなっていて、最後はその2組がまた合流して終わる。この先のシーズンではその二つとは違う戦い方になればいいと思う。
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