山岡

スタートレック:ディープ・スペース・ナイン シーズン2の山岡のネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

シーズン2。決定的な傑作回はないが、エピソードごとに緩やかな繋がりがあり、この点がこれまでのシリーズになかった特徴だと思う。例えば、EP22「義務と友情」でガラックがカーデシアのアンフェアな司法制度について言及した後、EP25「疑惑の法廷」ではオブライエンがカーデシアに捕えられ裁判にかけられ、ガラックの発言が事実だったことがわかる。さらに、EP7「フェレンギ星人の掟」ではガンマ宇宙域を仕切るドミニオンの存在が明かされたあと、EP26「新たなる脅威」でドミニオンが強敵として登場する。1話完結でありながらも、連続して視聴したくなる強力な仕掛けである。

そして各キャラクターの掘り下げもこのシーズンの魅力。中でもクワークの活躍ぶりは素晴らしい。EP18「クワークの愛」はクワークの単なる拝金主義者でコメディリリーフではないことを証明したエピソードであり、カーデシアとの緊張関係を背景にしたポリティカルサスペンスとしての魅力も有する傑作エピソードだ。

だが個人的にはシーズンのベストエピソードとしてEP6「エレージアン星人 メローラ・パズラー少尉」を挙げたい。身体障害者、そして障害との関わり方についての強いメッセージをべシアとメローラののラブストーリーの中に見事に落とし込むことに成功している、スタートレックのラブストーリーでは最高峰に位置するエピソードだと思う。無重力での浮遊デート、頑固親父のクリンゴン食堂でのデート…どちらも素晴らしい名シーンだ。無重力での彼女の生き生きとした姿を見ているからこそ、最後の決断に説得力が生まれている。一本の恋愛映画の名作を見終わった後と同様の満足感を覚えた(ただ、二人が別れなければならない理由はわからないが…)。

ドミニオンがボーグほどのインパクトがないのが少し気になるが、このままシーズン3以降も見続けていきたい。
山岡

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