テレビ版全5回。古谷金田一第一弾。
原作既読。1976年映画版視聴済み。
古谷金田一はテレビシリーズということもあり、
キャラクターの細かい造形はよいのですが、
映画版と比較して絵づくりが雑なのと、
深淵や狂気の描写に弱いという印象があります。はたして本作は・・・
シリーズ第一作ということもあって、
俳優陣も豪華だし、入魂の作品ですね。
映像も丁寧に作られていて、普通に映画ですね。
スケキヨのマスクは、初見となる御開帳時は、真正面の角度からで、
白すぎてディテールが飛んでいることもあり、
雑でマヌケな印象を受けるのですが、
少し見慣れてくると、能面を模していることが分かってきて、
これもありだなと思えてきます。犯人ともリンクしてますし。
キャラクター造形描写が素晴らしいです。
宿屋の女中は結構な逸材だと思いました。
宿屋の女中vs探偵事務所の野村昭子の展開笑いました。
ドロドロした中に要所要所で入る笑いが本当に良い。
惜しむらくは、殺しシーンがとても雑なことですね。
人形だとバレバレなことを恐れない大胆さと言えなくもないですが、
その割には地味で印象が弱いのです。
作品の中でもかなり重要なシーンだと思うので、
リアルを追求しなくても、せめてケレン味を追求してほしいところです。
湖に突き出た脚を引き上げると、マネキンの背中に「スケキヨ」
と書かれていたのは笑いました。わかりやすいけどさ。