みや

悪魔が来りて笛を吹くのみやのネタバレレビュー・内容・結末

悪魔が来りて笛を吹く(1977年製作のドラマ)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

原作既読だが、冒頭の宝石店での青酸カリ事件と犯人しか覚えていなかった。

都会(六本木)の金持ち(没落貴族)のお話だから、田舎の陰湿さは薄いものの、それでもやっぱり一族物は濃厚で楽しい。
人間関係がどろどろしていて、最後の最後に犯人が苦悩を語る場面は、おぞましさにニヤリとした。絡まり合った兄妹の因果、最高だ。こういうの大好き。
「笛の音」という聴覚で恐怖を味合わせてくれる作品なので、映像化の長所を存分に味わえたのも良かった。

ただ、容疑者である椿子爵の妻が気持ち悪くて仕方ない。なんであんな女に男たちが絆されるのか。魅力を全く感じられなくて苛々した。
犯人も父親は「畜生」と呼んで責めるのに、母のことはなぜだか大切に思っているのが理解できない。兄だけならまだしも、主治医とも密通しているのだから、完全に女が悪いでしょ。
ここだけはどうにも納得できなかった。

金田一耕助が犯人を暴くまでに人が死に過ぎていて、思わず笑ってしまった。
犯人の望みは全て果たされたから、金田一自身は誰も救えていないのでは…?むしろ謎のままにしておいた方が、犯人と母親は死ななくて済んだのではないか?と思ったり。
もっと頑張って!!
みや

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