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悪魔が来りて笛を吹くのShoMのレビュー・感想・評価

悪魔が来りて笛を吹く(1977年製作のドラマ)
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悪魔が来りて笛を吹く──中村八大によるフルート曲「悪魔が来りて笛を吹く」も原作の意図を組み込んだ音色で素晴らしい。

今回の舞台は岡山の山村ではなく、東京で暮らす旧華族。それでもやはり「家」に縛られ血の混じり合った惨劇が繰り広げられる。

大筋とは別の細かいトリックの順序を変えたり、原作にない殺人が挿入されるも、石森史郎の脚色は概ね原作通りの流れ。丹念に事件を追っているが事件が明かされる最終回はやや大味なのが残念。

江原真二郎の椿英輔は貴族というより武人の面持ち。草笛光子の椿秌子はおっとりした口調で箱入感を出している。長門裕之の新宮利彦は貴族には見えないが、『相棒』の北条晴臣よろしく“上級国民”の傍若無人さを体現。

沖雅也の三島東太郎と中山麻理の菊江(伯爵の妾)が見事なキャスティング。
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