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アメリカを荒らす者たち シーズン1/ハノーバー高校 落書き事件簿 シーズン1のTaiRaのレビュー・感想・評価

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ハノーバー高校の駐車場で教職員の車27台にチンコの落書きが描かれた。犯人とされる不良生徒が退学処分されたが彼は無実を訴える。高校生が落書き事件の謎を追うモキュメンタリードラマ。

チンコ落書き事件というくだらない題材と主人公の作るドキュメンタリー(本作)のシリアスさがギャップを生んでいて面白いのが第一。そこから高校の内部で生まれる欺瞞や偏見への眼差しが入り込む。二転三転する事実から人間の持つ二面性が浮き彫りになる展開は魅入られる。仮説と検証を繰り返しながら事件に迫る展開もスリリングで面白い。推理モノとしてはSNS上にあげられたパーティー会場の動画を読み解くエピソードが楽しい。ジョン・ヒューズ以降の高校内幕モノの最新系でもあり、属性に囚われるアメリカの高校生たちの人間ドラマとしても良く出来てる。また創作、特にドキュメンタリー制作の持つ暴力性についてもちゃんと描いていて、かなり真摯にテーマを扱っている。ラストで「人間とは何か」という深刻なメッセージを打ち出すのも凄い。
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