HarunaYagi

イン・トリートメント/セラピスト ブルック・テイラーのHarunaYagiのレビュー・感想・評価

3.9
コロナ禍のLAで、セラピストのブルックが自身の父が建てた豪邸に患者をオンラインまたは対面で迎えて行う週1のセッションを1話として、時系列でweek1,2,3,4…と追って行くドラマ。10年以上前にS3まで放送されていたようだけど、キャストも刷新されたリブートでのS4であり、過去分は観ていなくても差し支えないようです。

オレンジイズザニューブラックの鮮烈な印象のスーザン役の後、全く違う役柄でのウゾアドゥーバが素晴らしかった。スーザンの後なので、意識的にパワフルで知的なキャラクターを選んでいるのかなと思う。患者役もとても高い演技力だった。

サムネから「私が優しく癒します」的なドラマを想像しそうだが、患者の拒絶や怒りから受容して話す気になりその後、までのプロセスをずっと会話で追って行くので、鑑賞側にストレスがかかることもあり、万人に向いた作品かどうかは難しい。しかし、なぜこの人が今この状態なのか、を探って行くのを観察するような鑑賞感はとても興味深く、気づきも多かった。

セラピストは万能ではない、人間であるということをブルック自身のエピソードを挟むことで浮き彫りにしている。彼女自身も問題があり、彼女自身のエピソードの時は別人のように危うさすら感じる。それを含めていることで、深みが生じていると思う。
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