山岡

マーベラス・ミセス・メイゼル シーズン5の山岡のネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

安定したクオリティを保ってきたシリーズだが、ここ最近ではシーズン1,2の頃にあった勢いが少し弱まってしまった印象がある。ミッジがチャンスを掴みかけ、それをふいにしてしまうという展開が何度も続いている…この最終シーズンでも、『ゴードン・フォード・ショー』というテレビ番組の作家の仕事を手にし、それを足がかりにテレビに出演しようとするが上手くいかず…という完全にいつものパターンの繰り返し。

たが、今回は最終シーズンということもあり、未来の成功したミッジ達の姿が並行して描くという少し変わった手法が採用されている。これにより、これまでのような『マーベラス・ミセス・メイゼル』らしさは失われ、成功者の光と闇、友情とその終わりを描いたスコセッシ映画のような様相を呈している…特にEP6「イジねぎらう会」は90年代のスージーの視点から過去の出来事、すなわち『マーベラス・ミセス・メイゼル』のその先のストーリーが矢継ぎ早に語られる、シーズン5のハイライトと言えるようなエピソード。シーズン4までの出来事が一気に昔話になってしまうので、見ていて本当につらくなるし、途中から何を見せられているのかよくわからなくもなってくるが…仲違いしたミッジからのビデオレターを見るスージーの感極まった表情にこちらも思わず涙してしまった…。

そして最終話EP9「4分間」。『ゴードン・フォード・ショー』をジャックし、これまでのキャリアの総決算のような渾身のネタを披露するミッジ…その鬼気迫る圧巻のパフォーマンスは最終話に相応しい納得のクオリティだった。

あまりにも駆け足で終局に向かっていったシーズン5…打切りドラマのようなスピード感に一抹の悲しさを感じはしたものの、エンディングはある程度上手くいったと言って良いのではなかろうか…。
山岡

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