最初ヒロインはただのチンピラに見えるけど、話が進むと様々などっしり重い事情が判明していく。そのメリハリがすごい。単なるブラックコメディではなかった。
濃厚な主人公。
世の中には色んな人に色んな問題があるだろうけど、それを一挙に抱え込んだような人格。役満どころのレベルではない。
何もかも失敗してどん底の女性という設定は今までにもたくさんあったがそれを大幅に凌駕している。
不健全にしろなんだかんだで人との繋がりはあり、不釣り合いな場所へよく赴く。
自分を変えたくない一方で変えなければならない自覚もあるが、結果ほとんど問題が解決しない。
何より彼女のカメラ目線が何度見ても最高。
姉と正反対とは語るがなんだかんだで結局いつも一緒にいるところもおもしろい。
実は姉は全く完璧ではなく、上手くいっているのは仕事だけ。互いの秘密を知っている妹は代わりのきかない存在だからこそくっついたり反発しあったり離れたり。
おかしいのは主人公だけではなく他の登場人物たちも何かしらを抱えている。
いつまでも影の消えない親友の存在にも注目。
S1-5話ではそれまでの色々が解消されてすっきりする。
そして次話からはそれまでとは比べ物にならない悲惨な展開。彼女の蛮行の背景、信じてもらえない辛さ、後悔と自責。それまでの話の軽さと比例して余計にショッキング。
それまで彼女だけが視聴者に話しかけていたが、唯一神父も途中からカメラを意識する。
監督によると、彼は神に見守られた存在なので同じくカメラの存在に気づけたのだとか。
