天然パーマのとおる

高い城の男 シーズン3の天然パーマのとおるのレビュー・感想・評価

高い城の男 シーズン3(2018年製作のドラマ)
3.2
Season1-2は徐々に登場人物が増えてきて関係性や謎が出てくるという感じだったけれど、Season3はこれまで以上に群像劇感が増しすぎて切り替わりが多い。シーンも登場人物も知らないところに飛ぶものだから、ちょっと惚っとすると何が起きたかわからなくなる。まあ、それでもたぶん最後のシーズンまで観ると思う(笑)

本作だけの事ではないけれど、フィリップKディック原作の映像化は本当に時代との相性が良くなってきたように思える。ブレードランナーやマイノリティ・リポートなど大作映画で約2時間の尺でしか観れてこなかったフィリップKディックの世界。初めてブレードランナーを観たときは衝撃を受け、この世界をもっと観たいと思った。自分の想像の範疇を超えているのに存在していそうな世界。もちろんブレードランナーはリドリー・スコット監督の解釈もあってのものだけれど、そのブレードランナー上映から40年近く経ち、エレクトリック・ドリームも含め、ドラマシリーズでここまで見事なフィリップKディックの世界を観れるなんて思わなかった。
そういう意味では20世紀の奇才が思い描いた未来の世界や異世界に、現実の21世紀が近づいてきたのかなと興奮さえも感じる。