ルーク大佐

SUBURRA -暗黒街- シーズン1のルーク大佐のレビュー・感想・評価

SUBURRA -暗黒街- シーズン1(2017年製作のドラマ)
4.0
ローマ近郊の観光地で地元ギャングの若僧、ヨーロッパの旧移民で差別対象のロマ(ジプシー)、オヤジの後を継いで警察官を目指すチンピラ3人が、各一族との血脈を破り、ローママフィアの顔役サムライらに一泡吹かせようとする。一家とのつながりを差し置いて、小悪党3人が結びつくという設定がおもしろい。一族への裏切りは抹殺の対象になるからだ。

映画『暗黒街』のドラマ版。
設定はやや変えて膨らませている。各一族の人物背景や派閥内部の争いなども付け加え、5話あたりから物語力が増してくる。

なぜ、チンピラが血のつながりよりも敵対する勢力の若僧を選ぶのか。そのあたりの事情が解き明かされてくるにつけ、ドラマの推進力が高まってくる。9話あたりになると、金髪、モヒカン、年増好き3人の愛憎と因縁がからみあう。フランス産ドラマほど奇抜さやロジック無視のノリ展開ではないので、シラケることもない。

ラスボスとの戦いも楽しめる。ローマ随一の闇の権力者であるサムライといってもスクーターを転がすジジイだが。。

『ジョンウィック2』のイタリア系女ボスが、ややこしくズル賢い熟女役で出てくる。若僧のひとりと20歳以上の年の差カップルを演じているが、これはちょっと無理があるなぁ。エロく特徴的な顔立ちなので気づく人も多いのでは。

イタリアを含め、最近のヨーロッパはええかっこしいのポリコレ系リベラルが政治の中枢に蔓延ったため、中東やアフリカからの大量移民で国家崩壊中だ。ロマ移民は貧困ゆえ犯罪に走りやすく、遥か昔から社会問題化していたので差別意識も根深い。難しい問題だ。

移民との関わり方を無関心に放置すると、現在の欧米のように国の治安や家族の安全、そして国益や国の将来にも多大な悪影響を及ぼすため、日本人も真面目に考える必要があるでしょ。

単なるチンピラマフィアドラマの視点だけでなく、国や家族のありようも深く考えるきっかけになるかも。続編も当然見るつもり。
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