味噌汁

ケイゾクの味噌汁のレビュー・感想・評価

ケイゾク(1999年製作のドラマ)
4.0
 ギャグパートからいきなり始まる犯行シーンや感情の昂りを表現する際の画面のブレ。展開が進むにつれて超常的、非科学的な存在と対面するなど後発の堤監督作品にも多用される演出が出てきて笑ってしまった。ほぼほぼやってる事は毎回同じなんだなと。

 本作は『SPEC』と同じ世界線(とされている)で描かれる推理モノドラマ。御宮入りなんていわれている未解決事件を鋭意継続中として捜査一課第二係が請け負う。本編中盤までは正統派な密室殺人であったり、物証のない連続殺人といった難事件を中谷美紀氏演じる柴田が解決していく。ただ解決してスッキリするだけではなく、犯人の自供後に後味の悪さが目立つ異質さを兼ね備えていて正直この方向性だけでも充分面白いといえる。中盤から後半にかけては各話で少しずつ描かれていたベテラン刑事真山が追う未解決事件とその犯人の朝倉を軸に物語が展開してくるのだが、この辺りから徐々に超能力が関与してきて非現実な要素に引き込まれる。『未来が見える男』で最後に本当の未来視を行ったりと、物語のラストの順を入れ替えちょっとズラしたりするのは堤監督ならではでクセになる。

 最後に登場する黒幕、朝倉の能力がかなり凶悪だけど雑魚っぽいところや渡部篤郎の気だるげな演技がハマってて好き。登場するカメラもポラロイドだったり、クソでかいワンセグもこの時代ならではな雰囲気でこの年にこの作風だからこそ出せた味なのだと実感させられる。
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