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ワン・ミシシッピ ~ママの生きた道、ワタシの生きる道~ シーズン2のGreenTのレビュー・感想・評価

3.5
シーズン1も面白かったけど、シーズン2はさらにドラマ性がアップして良かったです。

シーズン1は、お母さんが突然亡くなってしまったことをきっかけに、ティグがLAから故郷のミシシッピに戻ってきて、家族や田舎の人達とだんだん親しくなっていく、その過程で過去のことを振り返って、自分を再認識していく、みたいな総体的な感じだったけど、今シーズンはティグのアイデンティティの大きな一部であるレズビアンであることが前面に押し出されている。

レズビアンやゲイって、私は差別意識はないのですが、「どういうもの」なのかが分かり辛い。でも、それ系の映画などを観ても、同性愛者じゃない人が観て「ああ、そうなんだ」ってストンと落ちるものがあんまりない。

ティグは地元のラジオ局で一緒に番組をやってるコントローラー?のケイトを好きになる。ケイトとティグはすっごい気が合って、まさに運命の相手。

だけどケイトは自分が同性愛者じゃないので、すごい悩むし、女同士が付き合うっていうのは、セックスを含めどうなるのか全然想像もつかない。

なので、ケイトがティグに投げかける質問とかが、まさに私のような異性愛者が思ってた疑問なので「ああ~」なんて思う。

一番「おお~」って思ったのは、ケイトが「自分が同性愛者だ、ってハッキリわかった出来事はあったの?」って訊いたらティグは、やっぱなんとなくわかっているものだ、みたいなこと言うんだけど、強いて言えば大学の時好きだった女の子と卒業したら逢えなくなるなあと思ったけど、同性愛として打ち明ける気もなかった。そうしたら、相手が打ち明けて来た。で、「あ、私やっぱ同性愛者なんだ」とセラピーに行って、セラピストと話したら「あなたは同性愛者ではない」と言われた。だけどティグは「セラピストが間違ってる!」って思って、相手の女の子のところに行った、って話。

なんだけど、その後も男と付き合ったこともあると。

なるほどね~と思いました。そもそも、異性に惚れるのが普通、みたいな観念がなければ、その時その時で「誰に魅かれたか」なんて悩む必要ないのかなあ。

あともう一つは、ケイトが同性愛にはなれないと言ったので、ティグは有名な歌手で同性愛の女性とデートに行くのですが、同性愛者しか来ないパーティ?バー?かなんかに連れていかれて、「レズビアン・パワー」!みたいに群れている女性たちと合わなくて帰ってきちゃう。

これすっごい良く分かる!と思った。同性愛者でもなんでも、マイノリティと呼ばれる人たちが差別されたりしているのは気の毒だと思うんだけど、こうしてグループに固まって「自分たちは特別」みたいにされるとやっぱちょっと嫌な感じ。

ティグは「自分らしくありたい」だけで、好きな服着て好きに生きているとこうなっちゃう、ってナチュラルな感じがいいけど、「私はレズなのよ!」みたいに主張されると、例えば「ムーブメント」とか「活動」とかされるとちょっとウザい。

あと、キチキチしていてウザい義父が、自分と似たような女の人を見つけたり、未だに親と住んでいて、高校以来ガールフレンドがいなかった兄も恋愛をし出して、お母さんを亡くした家族3人共新しい人間関係を見つけて、その中で色々葛藤するのが面白くて、次がどうなる!?ってすっごい盛り上がりました。

このシリーズは、もっとお金のかかったシリーズをやりたいからってアマプラからキャンセルされたらしいです。もったいない~!こういう淡々としたシリーズの方が長続きするのにね。なんかね~、今回思ったけど、やっぱアマプラよりネフリの方が面白い気がする。
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