故ラチェットスタンク

マンダロリアン シーズン3の故ラチェットスタンクのレビュー・感想・評価

マンダロリアン シーズン3(2023年製作のドラマ)
3.5
『おとうさんといっしょ』

面白………い…かな?うん。面白いです。というより楽しい?かな。です!

「ボバ・フェット」の勘違い接待ムーブのお陰でグローグーとマンドーの重大な決断が大分軽い事として処理されてしまっている感が晴れないのになあなあに話を逸らした、"停滞"改め"立て直し"シーズンなイメージに。映画の制作も明らかになったので後半と次シーズンは茶番にしかならないことが明らかになったりして、配信開始当時の熱狂はどこへやら…と、言うのが主な不満。まあ、薄々気づいてはいたことですが。

「キャシアン・アンドー」よろしく作り物感が出てしまうツルツルサイバーパンクスターウォーズに入れ込み始め、ビジュ爆発のニッキーミナージュみたいな共和国陣営が出てきたりと映像強度が落ちる落ちる。小綺麗はマンドーに合わないなと再確認。シークエルとの繋がりも意識され始めて嫌な思い出が墓場から起き上がりもう大変。延々とモフ・ギデオン相手に戦ってるのでアイデアもそろそろ出涸らしだ。

しかしスカッとした活劇は増えたし、マンダロリアン族が沢山出てきたのは新鮮だし、マンダロアのビジュアルはイカすし、グラフィックは味わい深くて美しいし、ジェットパック戦闘は増えたしで新たに開かれたこのシリーズの可能性も充分あり、総合的には嫌いではない。良かった。というかシーズン2がちょっと異常だっただけ。

ボー・カターンが今回はスポット多めだったけどまあマンドーとイーカンジなコンビ関係が組まれていくので見ていられた。女尊男卑も男尊女卑もほとんどなし。[君の歌が記されるまで、仕えよう、なんて口説き文句(当人にその気はない)は誰が言われても惚れるでしょう。惚れてない感じだけど。]
空を舞いながらアレを構えるボー・カターンは全オタクの夢。

グローグーとディンジャリンの関係もアクティブになって来ている。船のアレコレを色々と説明してあげるあの感じ、私の父が私にしてきたこととすごい似てる。シーズンのラストショットは正に私が思う父と息子の風景。互いに過干渉しない、でも繋がっている。想い合っている。

アーマラーさんも出る度に姉御風を吹かすので興奮不可避である。私も儀式をしてもらいたいです。あと1人だけ鍛冶場の精錬道具で戦ってるのとか、毛皮付きの温かみある装備の感じとか、気怠げなのに威厳がある喋り方とか、グローグーにめっちゃ構ってあげて装備まで作ってくれるところとか、ゆったりしてるのに無駄のない体の動きとか言葉遣いとか、後ろにいてくれると自信が湧いてくる感じとか、常にモチベーションのバックアップに回ってくれるところとか、掟に厳しいけど融通効かせてくれるところとか、子どもを大事にしてるんだなって分かるところとか、好きです。いつも寡黙だから気まずくなりそうだけど、お茶したいです。それか鍛冶場のお手伝いさせていただきたいです。ダメなら見学だけでも、お願いしたいです。