ゆいこ

エマ ~恋するキューピッド~のゆいこのレビュー・感想・評価

3.8
原作を知らずに観たけれど、やはり期待のジェーン・オースティン。
私にとっては国も時代も違う事で色々と不勉強な事も多いけれど、それ故なのか、イギリスのクラシカルな雰囲気がとても素敵に感じられるのは映画を観始めた頃から変わらない。
そのため、ジェーン・オースティンの描く世界はまさに理想的。
ヒロインのエマは、上流階級のお嬢様を絵に描いたような存在で、気位も自尊心も高く、無意識に人を見下すような所がある。
それを窘めるナイトリー氏。
幼い日に母親を亡くしたエマにとっては、近くにいて、大事な所で叱ってくれるナイトリー氏の存在がどれだけ大きかった事だろう。
少しずつ形を変えていく信頼関係に惹き込まれる。
他のジェーン・オースティン作品にもいえることながら、序盤からおおよその展開は察しがつく。
どれ程既定路線であったとしても、そこへ辿り着くまでの過程には十分な面白さがある。
ドラマだと、尺が長い分各キャラクターの心理描写が丁寧で感情移入しやすい。
映画版エマもそのうち観るとして、こちらから観始めて良かった。
ゆいこ

ゆいこ