半兵衛

怪奇大作戦の半兵衛のレビュー・感想・評価

怪奇大作戦(1968年製作のドラマ)
4.5
60年代の円谷プロの集大成となった特撮番組。のみならずそれまで円谷作品で主軸となっていた金城哲夫と円谷一がメインを退き、それまで脇で変わった作品を撮っていた実相寺昭雄や助手的存在だった上原正三が実質メインになったことで、過去の円谷作品とは違う雰囲気を形成している。そして彼らの活躍が特撮やアニメの流れを変えていったといっても過言ではないと思う。

そして何よりこの作品に熱狂的ファンを生み出したのは岸田森の存在だと思う、それまで二枚目の演劇がメインの俳優だった彼が、このドラマに出たことで映像の魅力に気づき、主戦場をTVや映画に変えてしまう。また最初は冷徹な二枚目だったのに後半どんどん三枚目の演技を巧みに見せていき、そして伝説の回「京都買います」では繊細な演技を披露(この話ではノーメイクで演技していて、感情が高ぶって顔が赤くなる姿を堪能できる)、名優あるいは怪優として後世に語り継がれることに。また岸田森のアドリブや三枚目の演技の方法は、萩原健一や松田優作、水谷豊に受け継がれることに。
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