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夏の香りのclydebarrowのレビュー・感想・評価

夏の香り(2003年製作のドラマ)
4.0
これまで観た四季シリーズ(「春のワルツ」は未見)の中でいちばんよかった。何故なら、誰も突然のアクシデントや病気で不幸になったりしないから。みんなが幸せになろうと、あるいは誰かを幸せにしようと頑張るドラマ。そして何より、ソン・イェジンが上手いし、かわいい。一方、ハン・ジヘのヘタさが際立って気の毒だったけれど。

心臓=ハート=心という刷り込みがあるからか、こういう話は医学会はともかく、巷では昔から囁かれていた。設定として良いところに着目したなあ、と思う。でもね、まあ、フツーに考えて、病気が治ったら明るくてなるだろうし、そもそも本来の性格って、なんなんだ?って話。さらに、さらに! ドナーの家族の「会いたい」という意向や当事者の病状について、医師が、本人や家族を差し置いて、婚約者(政治的にも社会的にも経済的にも優位に立つ)に先に教える等、今の感覚で言うとNGなことが多過ぎて、違和感盛り盛り。途中何度もうんざりして離脱してしそうになった。

婚約者の望みと妄想が暴走するホラーとして観ると、また別の面白さがあるのかも。

会えなくても、どこかで幸せに生きていてくれれば、それだけでいい、という気持ちは、歳を重ねるととてもよくわかる。

ラストも秀逸。感情移入する人が誰かによって、印象が変わると思う。切ない場面も多いけれど温かい、そんな大人のためのドラマだった。
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