utako

ボードウォーク・エンパイア 欲望の街 シーズン5のutakoのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

裏社会の世代交代は、前Sでまあるく収まったかと思ってたら…そう簡単に収まる話しじゃなかったです。笑 
新時代到来と新しい概念が生まれても、欲望に果てはなし。
かつての恨みつらみを滾らせ、まさかの人たちが手を組んだりの大波乱。それぞれの”散り際”の御膳立ても個性を活かしててニクイなーと観てましたが、ほぼ全員に死亡フラグ立ってるので、ずっとハラハラしっぱなしだった。

ナッキーの提案で株で成功するマーガレット。心機一転、アトランティックシティを去り今後は安定した生活をこれで築くのか…と、この二人の関係も波乱だったけど荒波乗り越えた戦友のような、対等でいい雰囲気なんですよね。

今シーズンは、ナッキーの生い立ちからの回想が随所に挟まれ、叙情的で彼の魅力が炸裂します。これまでのお馴染みのキャラたちと、どう出会い関わってきたか。子供時代、青年期とらしい容姿の役者さんを使ってて、芝居も特徴捉えてて上手いです。

貧しい時代に貧しい家庭に育まれ…これまで細切れに描かれた家族との関係が赤裸々に語られると、ナッキーの切実で秘めたる想いが痛いほど響いてきて、アトランティックシティ発展の立役者・成功者達の表と裏を間近で見て学び育まれてきた『欲望』であることも同時に理解できます。

『努力をすれば報われる』あるところまでは着実に誠実に上を目指していたけど、現実はそう甘くはないのだと知り、踏み外したあの日の一歩…から、現在に繋がるラストが上手いし衝撃的で言葉がなかった。ああ…そう来るか。
これまで『彼』に起きたことや心情を思うと大きく納得。両者の想いを想像するだけで切なすぎるけど、因縁の描き方が秀逸すぎるラストでした。

調べると打切りだったようで。
前半の丁寧さに比べると、確かに後半は多少急ぎ足に感じたエピソードもありますが、それでも押さえるべき箇所はしっかり創られていて最後まで全く飽きることなく引き込んでくれたドラマでした。
Breaking Badなんか好きな人には堪らない『人生譚』だと思います。

早速、二巡目行きます。
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