むらみさ

Dr.コトー診療所2004のむらみさのレビュー・感想・評価

Dr.コトー診療所2004(2004年製作のドラマ)
4.0
島の医者には先人が居た、という島の医療の歴史のお話し。
これが内さんから語られるのもまた、戦前戦中を生きた方から続く命の話だなぁと感じ入った。
コトー先生のいた先端医療での分業制のシステムでは、目の前の患者に手術するところまでが医師の関わる分野だろうけれども、命とは続いていくもので、患者がその後どの様な生きかたを選択していくのか…そして医療者はどこまで見届けるのか…
それを考えさせる回にたくさんの話が重なってくるのがお見事でした。

‘しんきろう’は本当は見えなかったのかもしれない、と呟くDr.コトーの背中。
島のひとたちの命をひとりで預かる責任を前に、手術でいくら人を救ってもそれが患者にとってその家族にとって良い選択だったのか、確かなものの無い医療という世界に立ち向かうのは本当にたいへんなことだなぁと思った。

本土から離れた島の医療だけを描くドラマになっていないところが、ここまで惹かれる理由なんだろうなぁ。
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