ふじこ

トリハダ5のふじこのネタバレレビュー・内容・結末

トリハダ5(2009年製作のドラマ)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

◎第一話:気づくことが恐怖のはじまり
└同棲していると思しき女と会話しながらベランダで煙草を吸う男の視線の先に公衆電話。夜の帳の中煌々と白く光る公衆電話の明かりと中に居る髪の長い女の赤いコートが目立つ。なんとなしに視界の端に留めたその女がしかし次の日もまた次の日も同じように公衆電話に立つ様子に腹が立ってきて外に出ると女はいない。公衆電話には愛してる愛してる…殺す、と無数の書き殴られた文字。鳴り出した電話に出ると女の声。自分の部屋を見上げると自分の部屋に赤いコートの女、その手には血のついた包丁。

ストーカーの話かな?これが有名な女優さんか~、なんかで観た事ある。すごく雰囲気があって良い感じなのに、なんたるチープな使い方…。高笑いはもういいっつの。

◎第二話:排除された弱者の論理
└町内会か何かのポスターを依頼され、完成したそれのチェックをして貰っている。関係性は不明だけれど、ポスターを持ってきた若い女性と中年の女性は友人ではない雰囲気。部屋の中をそっと見回すと沢山の介護用品。話していると恐らく被介護者が鳴らすアラームの音が大きくなり響くも、中年女性は対応する気がない。何度も良いのか、と問うも遂にアラームは鳴り止んでしまう。何処かの部屋を覗きながら中年女性が言い聞かせるように問う、何も聞かなかったわよね?と。

不気味と言えば不気味なんだけど、どうして来客中にやるの?事の是非はともかく、無視したら恐らく死んでしまう程の状況であるなら、若い女性が帰ってからでもよくない…?

◎第三話:思考の外にある残酷の記録
└チャットレディーをしている女子大学生。誰かが入室してくるも無言の為、女友達の愚痴を零して間を埋める。次の日も次の日も同じ人が入ってくるも無言で、いい加減腹が立った処でカメラが付く。大学に行っていた、と言う相手の背後には愚痴を零した女友達の遺体。どういう事…?とパニックになる女性の元に、マンションの隣の部屋から歩いてくる気配。

匂わせが過ぎるから意外性がなくて残念だった。最初から隣の人です、ってやりすぎー。

◎第四話:配達される不快な要因と結論
└花粉症かアレルギーか、薬を常用している女性。帰宅時にアパートへポスティングしている男への当たりもきつい。ある日帰宅してポストを開けると焼けた人間の写真。驚いて部屋に逃げ込むが、次の日も写真が入れられており、骨になった体、それをハンマーで砕き、粉になった骨。それを固めた錠剤に見た事のあるマーク。いつも飲んでいる薬と同じマーク。

これは結構すき。不気味で不条理。なんだけど、市販されてるの?内部告発か?ってくらい、この女性がどこから薬を入手しているのか気になってしまう。

◎プロローグ~エピローグ
└何時も酷い目に遭うプロローグ&エピローグ担当の谷村美月のお話と第五話がリンクしている。谷村美月はネットに殺害依頼を出されている事を女の先輩に指摘され不安になる。彼氏に電話しても全然出てくれず、外を覗くと誰かがこっちを見ている。電気を消して先輩に電話をすると、急いで外に出るように指示され、部屋を飛び出すと車で迎えに来た先輩が。感謝するも、どうやら先輩の表情が…。

◎第五話:欲望と信頼の末路
└ゲームが好きな男。ゴミ捨て場で3つのアイテムを手に入れマリン姫を救え、と書かれた地図を手に入れる。なんとなく従ってみると公衆電話に三万円入ったお財布。指輪(リング)、剣(バール)を順に手に入れ、マリン姫が居ると思しき場所へ行くと謎のブルーシート。そっと捲ってみると女性の死体。驚いた処で丁度通りかかった人に目撃され、誰がどう見ても殺人犯。道中手に入れたアイテムはその女性のもので、最後にその女性が谷村美月である事が発覚して終わり。

また酷い目に遭ってる…。最初と幕間と終わりの話が繋がるのはシリーズ何時ものやつなんだけど、これが一番良かったんじゃないかなあ。マリン姫の話自体は前作のワンチャン狙い男の話ほぼそのまんまでアレなんだけど、何時もモヤっと終わっていた谷村美月パートがこれと綺麗にハマって良かったな。ただ殺人計画としてはガバガバも良い処なので結局先輩の完全犯罪にはならなそう。
ふじこ

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