メタ壱

古畑任三郎 FINAL ラスト・ダンスのメタ壱のレビュー・感想・評価

3.7
古畑任三郎、最後の事件。
人気脚本家で性格が正反対な双子の姉妹の間で起きる殺人事件の真相に古畑任三郎が迫る!

田村正和さん追悼番組にて。
古畑任三郎シリーズの魅力は、サスペンス・ミステリーとしての面白さは勿論、古畑任三郎のキャラクターによる部分はとても大きいと思うのです。

あの独特な喋り方や立ち振る舞い。
田村正和さんでなければあのキャラクターにはならなかったであろう唯一無二の個性。

古畑任三郎シリーズは最初から犯人がわかっているサスペンススタイルの作品ですが、だからこそ探偵側、犯人側の双方に感情を乗せて見る事が出来る面白さがあります。

ですが個人的には犯人側への感情移入の方が大きくて、あの個性的なキャラクターでジリジリじわじわもったいぶって追い詰めてくる古畑任三郎という存在に言い知れぬ不安とイライラを感じます(笑)

犯人からしたらこれほど嫌な相手もいないだろうし、だんだん古畑に対してイライラを露わにしていく犯人の気持ちが凄くわかります(笑)
僕が犯人ならお腹が痛くなって1時間も持たずに自白しちゃうね!

だけれど最後、全ての謎が解かれ観念した後の肩の荷が降り力の抜けた犯人と、決して責め立てる事をしない古畑任三郎の二人だけの安らかな空気感がとても好きで、本作ではそれが顕著。
ラスト・ダンスを踊る二人の姿がとてもエモかったです。

とても大好きなシリーズ。
田村正和さんがいたからこそ作り上げる事の出来た作品。
田村正和さんのご冥福を心からお祈り致します。
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