Larx0517

Looking/ルッキング シーズン2のLarx0517のレビュー・感想・評価

3.7
シーズン1では、アンドリュー・ヘイ監督について書いた。
シーズン2では、やはりパトリック役のジョナサン・グロフについて書かずにはいられない。

シーズン1では、いつ彼が歌い出すかと、瞬きするのもはばかれるほと待っていたが、カラオケのシーンでさえ歌わない。
得意とする歌を封じ込めることで、彼の繊細な演技が際立つ。

シーズン1でのレビューでも書いたが、パトリックという役は決して理想のゲイではない。
かといって悪人でもない。
普通の人間を演じるのが1番難しい。
彼自身もゲイだが、多分パトリックとは、違うキャラクターではないだろうか。
それでもパトリックというキャラクターに、本当にサンフランシスコの片隅にいてそうな存在感を与えたのは素晴らしい。
特にシーズン2では、彼の繊細な演技に、それこそ瞬きがはばかれるくらい見入ってしまった。
特に自分が「イタい人間」だと気づいた時、気づきながらやり続けてしまう、人間の弱さ、もろさを曝け出した時。
ラスト近くのケヴィンに自分の至らない部分を指摘された時の表情。それでも愛していると言われた時の表情。
その魂を凝縮したような、表情の移り変わりを演じきったのは、網膜に焼き付いている。

「歌わないジョナサン・グロフ」を見るだけでも価値のあるドラマ。
Larx0517

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