久保田靖史

霧の旗(2010年版)の久保田靖史のレビュー・感想・評価

霧の旗(2010年版)(2010年製作のドラマ)
4.0
 このドラマ制作時より50年前の松本清張の原作をもとに、設定を現代に置き換えて内容も大きく改変したドラマです。兄の弁護を断った弁護士(演:市川海老蔵)に対する、女性(演:相武紗季)の理不尽な復讐劇です。
 私は最近この「霧の旗」にハマってまして、清張の原作を読み1965年山田洋次監督、倍賞千恵子主演の映画と、1977年百恵友和映画、そしてTVドラマはこの2010年松本清張生誕100年記念ドラマ版と、2014年堀北真希主演版を観ました。
 この2010年版は原作にはない弁護士の生い立ちなどが追加されています。これはけして原作から乖離するのではなく、むしろ原作の筋立てを補強するような形ですので、好意的に受け止められました。
 ストーリーの鍵を握るライターの扱いも、各映画やドラマで違いがありますが、このドラマも希望が持てるように感じます。いちばん冷酷なのは山田洋次版の倍賞千恵子。この辺り比較してみると楽しいです。
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