なまえ

Giri / Hajiのなまえのネタバレレビュー・内容・結末

Giri / Haji(2020年製作のドラマ)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

ストーリー展開はそれなりに面白かったし、というのも任侠ものにあまり詳しくない自分でも観やすかったというか、それぞれの登場人物の内面も深く描けていたし、なにより日本語と英語のギャップを趣向を凝らしてできるだけ現実との差異を無くそうとした努力があらゆるところに垣間見えて感心した。が、所々の違和感が拭えなかったのは仕方あるまい。特に日本人からするとだが、日本人キャラクターのヒアリングとスピーキングに差がありすぎると私の友人は首を傾げていたし、外国人の喜ぶ日本語を使わせようとしたのか「さよなら」と現代人のしかも大の大人の男どもが別れ際に言うのを見て笑ってしまった。

BBCでの放送が先で(製作はNetflix?)、日本人意識よりも英国人向けだったのは明らかでそもそも脚本も日本人ではないし、恐らく直訳しただけのイマイチな詩的語りがあったり、日本語がもごもごとして聞き取りづらかったのは事実。まあ日本のドラマがハキハキしすぎるというのもあるが、より口語的であったのは最近の作品の中では目新しく評価できる。


あと、日本人のキャストで演技が下手な役者が目立つといった意見が多いようだが、恐らく演出家もほとんどが外国人で「日本語特有の間」を理解せずに作り上げたのだろうと思われ、いかんせん台詞のテンポやカメラワークが早いというか、英語のリズム感を意識しているようで日本人からすると気持ちが悪い、落ち着かない印象を受けると思われる。やはり脚本も英語を輸入した形だろうから、英語の詩的リズムをうまく日本語に訳しきれなかったのだろうと推察する。

だから決して、日本人キャストの演技が下手だったわけではないのは全編通してきちんと見ればはっきりすると思う。合う合わないがそれぞれあるのは当然だが。
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