Stephen Moyerは警官(Lieutenant 警部補)を演じてます。一見、人種差別に加担しないようでいて..そもそもその場の情勢によって善/悪」は変わるから情勢に応じてつく側を決めるという相対主義者であることが根っこにある無意識の差別者、という非常に面倒な人物。家で母に暴力を振るった父が町では名士だったという歪みをオリジンに入れたのは端的でわかりやすい。 こういう判断基準が揺れ動く人物が中心に1人いると、物語の緊張感がすごいですね。現実にはそういう人間のほうが多いわけだし。 この手のドラマでは「分断」か「連帯」かの二極を描くことは簡単でも(現実に生きて新聞なんか見てると、特にそういう二極に世の中って見えるよね。)、人間そのテーマだけで生きているわけじゃないから(例えば、家族との関係、仕事で得る報酬、自分のプライド..)判断って状況によってブレブレだったりする、そういう人間をたくさん描きこんでるのがこのドラマの力量だと思います。だからこそ、最後まで惹きつけられたし。