こいももか

地方紙を買う女のこいももかのレビュー・感想・評価

地方紙を買う女(2007年製作のドラマ)
3.0
松本清張さんと、タイトルにそそられて鑑賞。

内田有紀の役柄の、性格のしたたかさが前半全く感じられず後半急に出てきたのがついていけなかった。事故で意識のない娘のために20万を毎月送るために、弁当屋やアルバイトを掛け持ち。

高嶋政伸演じる作家の自己中さを見抜き、自分が殺人犯と思っていていつ毒を盛られるかわからないと思いながら妻になんてできるのかと試す部分は、女のしたたかさをうまく示していると思った。
謎が2つ。
高嶋政伸がコーヒーの入った水筒を持って指紋をつけたと言った後、内田有紀が指紋をふきとるしぐさをしたのは、どういう意味かまだわからない。
そして、なぜ3人も殺しておきながら主人公は罪に問われないのか。水商売でのし上がっていく様子で物語は終わるが、謎の自殺とされた作家の遺作「地方紙を買う女」の内容から、殺しの疑惑を向けられないのか。そのあたりがうやむやなままで、松本清張の中ではすっきりしないラストだと思いました。