SAKI

またの名をグレイス シーズン1のSAKIのレビュー・感想・評価

3.5
ここのところ、色んな作品を見ていて、人の中にあって、決して消えない抑圧された怒りが目につく。

怒りは、他のどんな感情よりも多面的で、奥深く、議論の的になる感情だと思う。

怒りっぽい人が周囲に悪影響を与えたり、被害者意識が強くて周りに当たり散らす人が迷惑なのは当然なので、アンガーマネジメントとか、負の側面を強調して抑圧すべきものとされている。しかし、度を過ぎた不平等や理不尽に対して怒ることも抑圧されている。

怒りは正当性を判断しづらく、裁きやすく、また裁かれにくい感情だと思う。

怒りの感情を露わにすると、たいていは損をする。自分の首が締まるだけ。そもそも怒りは理不尽に対して生まれるものだからだ。だからグレイスも声をあげて怒りくるったりはしない。
静かに凝縮された憎悪は、静かに蛇のように、復讐を遂げようとする。

復讐ストーリーが大衆受けすることが、人がいかに抑圧された怒りを抱えているかを表している。グレイスほど酷い人生でなくても、人は自分が抱える怒りが晴らされることを望んでいる。

それとは別に、清潔は天国に1番近い、という言葉にとても共感した。
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