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The Sinner -隠された理由-シーズン1のgeminidoorsのレビュー・感想・評価

4.3
何気にチョイスでハマっている。

刑事と容疑者各々が封印してきた過去。
スパイラル構造でストーリー展開するのが特徴かな。
派手なシーンや編集効果は一切無い。
明るさは無いが、決して陰鬱とは思わない。人の心の暗部は、撮り方や編集や脚本の展開が"気を衒わない"分だけ、静かに入り込める。
御話の木目が細かく、原作者が女性作家と知り、それも頷けた。
終盤、話の絡み方に対して判りにくい画面展開もあったが、シリーズドラマ特有の中盤の間延びもあまり感じなかったし。今のワタシには好きなタイプの刑事ドラマだった。


登場人物皆が適役に感じるのはイイね。
特筆すべきは、紳士な髭刑事がプライベートでは相当な訳アリMで、事件の本線が進む中で毎回の様にサラッと其の様子が喘ぎ声と共に挟まれる。相手は行き付け珈琲店?の店員で、かなりのおデブときたもんだ!
それが罪の意識からの趣向であることが伺えるのだが、罪の具体は簡単にコチラには教えてこない。
個人的には、虐められ癒されるのは解らないし、差別じゃないがかなりのおデブは苦手なのだ。(と思うけど…)

他の方のレビュー読むと、刑事の"性癖の話が要らない"だとか、理解出来ないとか、かなりMシーンに囚われている輩が多い様だ。
併しながら、そんな脳足りんな輩は解りやすいハリウッド映画やお涙頂戴話でも観てりゃいいんでない?
起きている事象の表層だけ観ていたら、理解や感覚も浅いままで、そう云う処は自ら訓練しないと結局はジンセイのアチコチで楽しみが減るぞなもし。
一見優しく紳士な刑事に隠された罪の意識からの"裏の行動"があればこそ。だから、謎解き=容疑者を或る意味で救済する行為自体が、すなわち刑事が自らの救済を求めて暗夜行路している訳で…
そんなスパイラル構造な訳で。

シーズン1を観終えて、各人の距離感や刑事のナイーブさが微妙に意味深な演出。

誰もが題の"罪人(ツミビト)"
コレ、このままシーズン2を観ようと思う。
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