pine777

ホルト・アンド・キャッチ・ファイア 制御不能な夢と野心 シーズン1のpine777のレビュー・感想・評価

4.3
野心に駆られたカリスマビジネスマンとそれに巻き込まれ翻弄される仲間たち。しかし、誰もが野心を捨てきれず、全てを犠牲にしてもそれに賭けようと、もがく姿が描かれている。

時代は1980年代から始まり、初期コンピューターの製造から、ゲームソフトウェアの開発、パソコン通信、インターネット、ブラウザ、ポータルサイトへと繋がっていく。登場する企業も実在の企業が沢山出て来るので、時代のおさらいをしているようで楽しい。

1980年代と言うと、日本はバブルの真っただ中で、対等な経済大国、ビジネスパートナーとして描かれている点も興味深い。

シーズン1はとにかくがむしゃらに突き進み、野望のためなら仲間をも裏切るジョン(時には意味不明の切れ方をする)だったが、シーズン3ぐらいから段々聖人のようになっていく・・・初期の天才カリスマの勢いが無くなってしまってちょっと寂しいが、このドラマはサクセスストーリーではなく、あくまでヒューマンドラマだから、夢や野望を成功させるというよりは、お互いの絆を確かめる事に重点が置かれている。実際、彼らのやる事為す事、いい所までは行っても結局失敗の連続でイライラさせられる部分はある。天才が集まっていても、それぞれの自己主張が強く自分勝手・・・結局人間関係が行く先を大きく左右する。

何か一つでも大成功させてスッキリするストーリーも見たい気がするが、架空の企業である限り、有名企業を差し置いて「成功」というシナリオは描けなかったのかも知れない。(モデル企業はあるらしいが)

最後の最後にドナが見つけた「アイデア」が何だったのか分からないけど、時代の流れから言ったら、次は「携帯端末」もしくは「音楽端末」という感じだろうか?
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