新感覚！近いもので言えば『街』とか『428』といったサウンドノベルになるでしょうか。ドラマの中に選択肢を用意し、話が分岐していくという体裁の非常にめずらしいドラマ作品。しかし天下のネットフリックスがしかけるこの「アドベンチャー型のドラマ」は、選択肢ごとにそれぞれのルートの先を見せてくれるだけでなく、ループしてる感覚そのものもストーリーに組み込んでいるため、仮に”明らかに間違った選択肢”を選んでしまってもその迷宮に迷い込んだ体験も含めてエンタメの一部となっている。おそらくハマった人は色んなルートを覗いてみたくなるだろう。中にはアクション要素強めのルートや、メタフィクショナルな展開になるルートなんかもあったりして楽しい。配信時代ならではの体験型映像作品であり、集中力を途切れさせずに楽しませようとする遊び心が感じられてグッド！1時間半くらいで（おそらく）正規のエンディングにたどり着きましたが、他にも自分好みのルートがありそうな気がして後ろ髪を引かれる思い。もしかしたら「正しいエンディング」ってやつに対する問題提起なのかもしれない。終わるまでどれくらい時間がかかるのかわからないように作られているのも「時間換算しながら作品を視聴する」ことに対する疑義にも感じたし。まあとはいえあんまり難しいこと考えず、思うがままに選択肢を選び、何度も失敗しながら答えを探していくのは新鮮な楽しさがあります。万人ウケ、どころか少数の人にしか刺さらなそうな気がするけど、こういう冒険心のある作品は応援したくなるなあ。
