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ロシアン・ドール:謎のタイムループ シーズン2のpenのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

S1のタイムループからどうするんだと思ったら、家族の歴史を辿るタイムスリップになった……? しかし最後まで見ると、タイムループの幅が一人のある死ぬ直前前後のループからもっと大きな、親子の系譜が円環構造化した物語にスケールアップしたんじゃないかと。ある回で、車両を移動し続けたらまた現在時間の自分の車両に戻る場面で、そんな風に思った。

次第に時の流れは様々な可能性が無限に拡がり続けて、選ばれなかった可能性も沢山出てくる(地下の虚空やあの並んだ死体はその表れのような)。だが選ぶ道は様々な要因によって既に決まっている。あとはそれを受け入れるのみ。人生はその連続なのかも、と考えながら見ていた。そうすると暗い話のようだが、そうやって歩んできた人生の中で築けた関係も悪くないものだと、ナディアとルース、ナディアとアランの関係などから感じ取れる。S1以上に苦いが、同時に温かい作品だと思った。

ナターシャ・リオンの振る舞いが昔の私立探偵のようでカッコいい。冷たそうな風を突っ切って闊歩するリオンの眼差しに目が離せなかった。さすがにもう続きは無理か。
素晴らしいSFだった。
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