mayuri

REIGN/クイーン・メアリー シーズン4のmayuriのレビュー・感想・評価

5.0
この世の誰も、死を知らない。
経験がないから。覚えていないから。
しかしその危険と隣り合わせの存在はいる。生を受けてから常に身近に死がいた女王は幼子へ未経験なはずの死を安らぎだと説いた。自身が死を恐れぬために作り上げ言い聞かせてきた理想のあの世。気丈に振る舞う王族にも必死に塗り潰した弱さがある。強い人間なんてただの一人もいないんだ。

フランソワなしで駆け抜けたファイナルシーズン。なにかと極端なメアリーの男運に弟たちの嫉妬混じりな王権争い。やつれていくシャルルを見るのが辛かった。皆乗り越えなければならない悲しみの大きさが尋常でなく、すれ違ったり通じ合ったり、回りくどい生き方だが各々の交錯になかなかどうして夢中になった。

フランソワにはじまりフランソワにおわる、メアリーの結末が彼であってよかった。安堵の涙がとまらなかった。女であることを弱みとせず真っ直ぐ立ち続けたメアリーに心から尊敬の意を。自分を貫いた彼女の中で光っていた芯の強さを私も手に入れたい。
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