酩酊石打刑

私の彼はエプロン男子~Dear My Housekeeper~の酩酊石打刑のレビュー・感想・評価

3.9
なんだかこのところ、現代韓国社会に苦悩する若い女性のドラマをまとめてみている気分だ。
『82年生まれ、キム・ジヨン』がベストセラーになったり、世界的な広がりを見せるMe Too運動などの時代の反映なのかもしれない。
儒教的な道徳観がいまだに支配的な韓国社会を、生き抜く女性の姿が描かれる。などと分かったようなことを言っているが、わたしのそのあたりの知識は、韓国ドラマでのダラダラ長いホームドラマや、ドロドロ復讐劇から得たものなのであやしいものだが。
『彼女はキレイだった』『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』などがそんな印象を持った作品だ。
日本のドラマはほとんど観ないのだが、『獣になれない私たち』や『逃げるは恥だが役に立つ』などの野木亜希子作品での働く女性についての描写ともつながるものを感じる。
この作品ではLGBTや、対人恐怖症、見栄、虚勢を張って生きる生き方など、息苦しい社会を生きる人々の苦しさが生々しく伝わってくる。
『あやうく一生懸命生きるところだった』も韓国でよく読まれているみたいで、韓国社会の病理の病理の深さを感じさせられる。どのような結末を迎えるのかまだ最後まで観ていないので分からないが、安易で薄っぺらな結論で結ばれないことを祈るばかりだ。