うにたべたい

ウルトラセブンのうにたべたいのレビュー・感想・評価

ウルトラセブン(1967年製作のドラマ)
4.3
空想特撮シリーズ3作目。
ウルトラ兄弟が登場するシリーズとしてはウルトラマンに続く2作目です。
ちなみに"セブン"という名称は、ウルトラ警備隊の7人目の隊員という意味が込められています。

ウルトラマンが特大ヒットとなり、続いて企画された作品です。
ウルトラマンの直接の続編というわけではなく、ウルトラセブンに変身する「モロボシ・ダン」は地球人の姿と名を借りたウルトラセブンの変身した姿で、最初から宇宙人です。
なので、ダンの姿のまま超能力を使ったり、侵略宇宙人と交信したりもでき、ベースが地球人だったウルトラマンとは異なるストーリー展開が行われます。
また、地球を守る組織の名前は科特隊からウルトラ警備隊に変わっていて、メンバーも変更されています。
ただ、大まかなフォーマットはウルトラマンと変更なく、宇宙からの侵略者、襲い来る怪獣や不思議な事件にウルトラ警備隊が対応にあたり、ピンチになるとダンがセブンに変身、怪獣や侵略宇宙人を退治して去ってゆく展開となります。

特徴として、ウルトラマンでは、自然災害的に襲いかかってくる怪獣に対処するシーンが多かったですが、本作の相手は毎回宇宙からの侵略者に統一されています。
"宇宙で大規模な遊星間戦争が行われており、地球が多くの宇宙人に狙われている"という背景設定があり、怪獣は登場しない回も多いです。
また、ウルトラマンではタイトルで登場怪獣・宇宙人名が表示されましたが、セブンではなく、宇宙人の名前は不明のまま終わることも多いです。
それどころか、UFOの登場しかなく、代わりに送り込んだ怪獣は登場するものの、宇宙人の姿は現さないまま、UFOごと爆散させられる回も珍しくないです。

また、ウルトラセブンにはよくあることなのですが、宇宙人の目的がそもそも侵略なのかなんなのか明らかにならないことがあり、交渉も何もなく"宇宙人だから"で退治されることがあります。
映画にもなったベル星人や恐竜戦車をけしかけたキル星人、カッパそっくりなテペト星人など、何をしにきたのかわからないまま退治されていて、正直ストーリー的にはハズレ回が多かったように思います。
一方で、地球人が宇宙人の星や居住地を滅ぼしてしまう回もあり、特にギエロン星獣の回は、なんとなくいい話っぽい終わってますが、ひどい話だと思います。
個人的には、ウルトラマンに比較するとパワーダウンした感じが否めないですね。

名作回ももちろんあって、子供を操るチブル星人や実相寺昭雄監督の個性が光るメトロン星人、一度セブンを倒したキングジョー回なんかは印象深いです。
また、ウルトラセブンでは、セブンに代わって敵と戦う味方怪獣、カプセル怪獣がいて、序盤のエレキングvsミクラスの戦いはウルトラセブンを代表する一作ですね。
宇宙人のデザインも個性的で、イカルス星人やビラ星人、ガッツ星人など、個性的で魅力的な宇宙人が多数登場し、見どころも多いと思います。
なお、ウルトラシリーズは本作で一旦終了となり、次回の新マンの開始は二年半ほど待つこととなりました。