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帰ってきたウルトラマンのうにたべたいのレビュー・感想・評価

帰ってきたウルトラマン(1971年製作のドラマ)
4.4
ウルトラセブン終了から二年半ほど明けた1971年4月放映開始のウルトラシリーズ。
レオまでの、昭和2期ウルトラシリーズと呼ばれる4作の1作めとなります。

昭和1期ウルトラシリーズが高視聴率をマークしていたため新規で企画されたウルトラシリーズです。
初期の企画では、タイトルの通り、初代ウルトラマンがまた帰ってきて地球のために戦う、ウルトラマン2クール目のような形だったそうで、展開や変身アイテムなど、初代ウルトラマンを意識したものだったようです。
結局のところ、企画は大きく変わり、完全新作となるウルトラシリーズとなりタイトルだけ残りました。
なお、主役のウルトラマンは作中では単にウルトラマンと呼ばれていて、"セブン"や"エース"のような固有の名称はないです。
終了後に"ジャック"という名称が設定されましたが、個人的には正直聞き慣れなく、本人(?)には申し訳ないですが新マンと読んだほうがしっくりきますね。

主役はカーレーサーを目指す自動車修理工場勤務の郷秀樹。
彼は、突然現れた怪獣タッコングとザザーンの襲来により、逃げ遅れた少年を助けるため命を落とすのですが、ウルトラマンと一体化することで命が救われます。
勇気ある行動からスカウトされ、郷は怪獣攻撃の専門部隊・MATに入隊する。
以降、MATの隊員として行動し、どうしようもなくピンチのときにはウルトラマンに変身して怪獣と戦う展開となります。

初代ウルトラマン同様、自然災害的に現れる怪獣と戦うストーリーですが、特徴として郷秀樹の成長にスポットがあたっている部分があります。
過去作では、ウルトラマンではハヤタ、セブンのダンにスポットがあたって人間ドラマが描かれるようなストーリーはあまりなかったですが、新マンでは郷秀樹が仲間と対立したり、ミスをして怒られたりして、、鍛えられて成長していくような展開があります。
そのため、序盤は特に、MAT間で仲が非常に悪いです。
それがマイナスだったのか、中盤ではセブンが客演し、新マンに新たな武器を授けたり、それまで登場しなかった宇宙怪獣が多く登場するなどのテコ入れが行われます。
序盤でも、1,2話のタッコング回、サドラ、デッドン、キングザウルス三世、グドン、ツインテールなどなど、名作が多数ありますが、中盤のシーモンス、シーゴラス回からは特撮部分、シナリオ部分共により力の入った作品が多くて、毎話毎話名作ぞろいです。
ややマイナーだと思いますが、プリズ魔の絶望的な強さが個人的にはお気に入りですね。

ちなみに庵野秀明監督は大阪市で開催された日本SF大会で自主制作のウルトラマンを上映していて、そのタイトルが『帰ってきたウルトラマン』です。
庵野秀明版は本作のパロディではあるものの、本作の劇場版というわけではないです。
こちらは未視聴なので、そのうち見てみたいです。