うにたべたい

ウルトラマンのうにたべたいのレビュー・感想・評価

ウルトラマン(1966年製作のドラマ)
4.5
おなじみ特撮テレビドラマ、初代ウルトラマン。
放映スタートは、まだカラーテレビが普及しきる前の昭和41年7月。
特撮史的にはガメラシリーズの一作目が前年の秋に始まり、昭和41年6月には二作目のガメラvsバルゴン、二本立てで『大魔神』が上映されていました。
そして、ウルトラマン放送開始した後、東映の初の(そして唯一の)怪獣映画『怪竜大決戦』が上映、さらに翌年春には、遅れを取るかとばかりに各映画会社が競い合って特撮怪獣映画に参入、松竹はギララ(こちらも唯一)、そして日活のガッパ(こちらもまた唯一)が作製されました。
ウルトラマンは後に、第一次怪獣ブームと呼ばれるムーブメントの火付け役でありまた骨子となった作品で、ゴジラシリーズと並び、特撮を今日まで続く一つの文化にした作品と言えます。
なお、ゴジラもウルトラマンも、"特撮の神様"円谷英二氏の作品ですね。

私も幼少の砌から怪獣図鑑を読みまくり、怪獣名場面のVHSを見まくっていました。
そのため、怪獣のプロフィールは諳んじられますが、シンウルトラマン視聴時に「まともに通しでウルトラマンシリーズを見たことがない」ことに気付いたので、今更ながらですが全話視聴してみました。

ウルトラマンは『ウルトラQ』に続く、空想特撮シリーズの2作目です。
ウルトラQではウルトラマンが登場せず、航空会社のパイロット「万城目淳」を中心に不可思議な事件を描くシリーズ作品でしたが、ウルトラマンも基本的にその流れで、基本的には"不可思議な事件を政府機関である科学特捜隊(通称:科特隊)が調査する"内容となっています。
その原因が宇宙人や怪獣であることが確認され、どうにもならないピンチの時にウルトラマンが登場して怪獣を退治して去ってゆきます。
ドラマパートが長く、多くの回では怪獣とウルトラマンのプロレスは終盤のみと限られています。
タイトルが"ウルトラマン"で、ウルトラマンの戦いがピックアップされがちですが、科特隊が怪獣を退治してしまう回もあり、どちらかというと科特隊がメインのストーリーですね。
怪獣バトルがメインではないのでがっかりというわけではなく、科特隊の面々が個性的で、彼らの掛け合いを見るだけで楽しいです。
特にジャミラ回のイデの哀惜の叫び、スカイドン回のハヤタのおとぼけは、それまでのキャラクターとのギャップもあって良かった。
フジ隊員は巨大化され、アラシはダメだと言われてるのに我慢できずに発砲しちゃう(特にキーラ回)など、見どころは多いです。

前後編のゴモラ回を除き、毎話一話につき一体以上の怪獣が登場していて、一話も無駄がないと思えるラインナップです。
毎話毎話30分枠で劇場版一作できそうなクオリティのシナリオと特撮が流れていて、これを毎週テレビでやっていたのは本当にエグい。
ウルトラマンの活動に制限時間が必要になったのも納得ですね。
製作が追いつかなくなり39話で終了となりましたが、ウルトラマンは本作の後も脈々と続いてゆくのです。