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ウルトラマンのttのネタバレレビュー・内容・結末

ウルトラマン(1966年製作のドラマ)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

一話
いや無茶苦茶面白かったですね。もう既にウルトラマンの特撮ヒーローものとしての様式美が完成されており、その美しさが際立つ。しかしマン兄さん、追突事故で殺しちゃったから命あげて地球の為に戦うぞいというのはお茶目というか。あとシンウルトラマンの方はM87でこっちはM78だからやっぱり出身が違うのかしら。

2話
何が素晴らしいって当時の特撮技術を駆使した空想怪奇的描写だ。バルタンの術で静止した人のカット、これは凄い。そしてこの話大量の植民者を植民させようというバルタンは悪だということでウルトラマンに成敗されて終わるのだが、単純な昭和特撮ならそれで終わりの話である。しかそこは名作『ウルトラマン』もし人類とバルタンの立場が逆だったらという問題提起がされてる様に俺には思える。またムラマツキャップの防衛会議での発言が素晴らしい。「彼らと話し合ってみたらどうかと考えています」「何を言ってるんだ。そんな悠長な事を言っている場合じゃありませんよきみ」「真面目になろうじゃないかムラマツくん」
「真面目にそう思っているんです」「宇宙船のありかたさえ確認できればただちに核ミサイルハゲタカを打ち込むだが」「ハゲタカで破壊出来るとい確信がおありですか?もし最新兵器のハゲタカが通用しなかったらそのときはどうするんです」「ハゲタカは大丈夫だよ」「だからこそまず連中の欲しいものを知りもし与えられるものであれば与えてそして帰ってもらうのです」「馬鹿なやつらに降伏しようというのか」このムラマツ隊長の意見はガンダムOOを彷彿とさせる。ガンダムOOはガンダムウルトラマンをやったガンダムだった……?

8話
ピグモン、レッドキングなど有名怪獣初登場回。この話改めて見ると『怪獣』とは何なのかを考えさせられる。人間に害を成すから悪い怪獣で人間に味方する怪獣は良い怪獣なのか、違うだろうもっと何か本質的な定義があるはずだと自分の中のナニカが叫んでいる。人類の味方ウルトラマンは人間に害を成す怪獣をやっつける。でもその怪獣って自然のものなのでは、ウルトラマンは地球の自然環境に人類の目線で介入しているのではないか?そんな疑問が浮かんだ回。

10話
モンスター博士とかいう。恐竜(怪獣)キチガイ博士が登場する話。さながらゴジラの芹沢博士の様だった。この話では怪獣は完全に人間の恩讐の産物として描かれている。

15話
滅茶苦茶好きな話だった。怪獣が子どもたちのイマジネーションから産まれるという話。まだ怪獣文化黎明期の初代ウルトラマンの時点でこうした怪獣論が一個のお話として成立しているのは興味深い。そして空き地に土管、コンレボで見た子どもたちが屯する光景そのままで感動した。また実在?の戦車が出てくるのも昨今のウルトラシリーズは無いことで印象的。

16話
バルタン回は特撮の技術が素晴らしいな。ウルトラマンのテレポーテーションの描写、これは今でも通じるレベル。そしてバルタン再びな訳だが、
もしかして制作陣も2話で問答無用で倒してしまったバルタンに負い目があるからこの話作られたのかな。バルタンはやっつけられても仕方ないやつだと描写することによる悪性の強化というか。

23話
やべぇ。やべぇよこの話。名作と聞いていた『故郷は地球』ジャミラが出てくる話。今回の人類の敵は怪獣ならぬ怪人である。科学の発展の為に犠牲となったジャミラ、それを秘密裏に抹殺せよとの指令が科特隊に及ぶ。イデは納得できないが、ジャミラはウルトラマンに倒される。「犠牲者はいつもこうだ…文句だけは美しいけれど…」

第25話
雪山で戦う怪獣とウルトラマン。コンレボ4話の元ネタはここかな?。

33話
なるほどウルトラマンは宇宙の秩序を守る戦士なのか。そしてシンウルトラマンの長澤まさみの巨大化の元ネタはここなのか。

39話
「私の身体は私だけのものではない。私が帰ったら1人の地球人が死んでしまうんだ」「ウルトラマンお前はもう十分地球の為に尽くしたんだ。地球人は許してくれるだろう」
「ハヤタは立派な人間だ。犠牲にはできない。私は地球に残る」「地球の平和は人間の手で掴み取ることに価値がある」「ゾフィーそれならば私の生命をハヤタにあげて地球を去りたい」
「お前は死んでも良いのか」「構わない。地球人の生命は短い。それにハヤタはまだ若い。彼を犠牲には出来ない」「ウルトラマンそんなに地球人が好きになったのか?」
このやり取りがほとんどシンウルトラマンと変わってなくてびっくり。

総括
いやこれは傑作だわ。今も続くウルトラシリーズ第一作。(正確にはウルトラQが一作目だが、ヒーローウルトラマンが登場するという意味では一作目)もはや第一作目から怪獣やウルトラマンの意味を問う内容が盛り込まれており容赦がない。そして人間やそれが生み出す科学技術についても警鐘を鳴らす話も多く考えさせられる。だがこれだけ聞くと小難し内容だと思うかもしれないが、ちゃんと30分特撮エンタメ番組として成立しておりそのバランス感覚は見事。
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