滝和也

ウルトラマンの滝和也のレビュー・感想・評価

ウルトラマン(1966年製作のドラマ)
5.0
ヴォフォフォフォ!

スペルゲン反射光で
スペシウム光線を
跳ね返すバルタン!

デュワ!

一瞬にしてスペシウム
エネルギーを光輪化し
放つウルトラマン!

八つ裂き光輪に
真っ二つに叩き切られる
バルタン星人!

科特隊宇宙への一幕!

「ウルトラマン」

胸に付けてるマークは流星♪自慢のジェットで…。特撮巨大ヒーローの先駆け、日本が誇る円谷プロが放った子供たちのヒーロー、今も続くウルトラマンです。

再放送から火が付き、僕らの小学生時代にも大ブームがやって来ました。当時ビデオもなく、再放送にかじりつく様に見た記憶。再編集された劇場版も見に行きましたよ。

素晴らしい特撮とウルトラマンの神々しいまでのカッコ良さ、愛嬌と怖さを合わせ持つ個性溢れる怪獣、宇宙人たち。明るく楽しい大活劇とそして時に教訓を残す練られたストーリーの数々。どの話も面白く、印象に残る名作揃い。カラータイマーによる点滅、地球上では3分間しか戦えない設定が見事なピンチ演出、ナレーターの石坂浩二さんの危うしウルトラマンの声に呼応して頑張れ!ウルトラマンと応援する子供たち。私も、その1人でした。

何よりも怪獣や星人の名前がすぐ言えるのはこれですよね。まぁ…私はレオまではほとんどわかりますが(笑) 第一話ベムラー、第二話バルタン星人と…。

やはりバルタン星人かな(笑)あの声と破壊力ある攻撃、分身する宇宙忍者は伊達じゃない。2回にわたり、ウルトラマンと対峙し、その後もシリーズに出続ける正に好敵手。ウルトラマンが豪快な事をしちゃうから恨まれてます(笑) 人類の知恵そして勇気を試したメフィラス星人も外せない。ニセウルトラマンに化けたザラブ星人も。レッドキング、ゴモラも忘れがたい。ブルトンも話の面白さでお気に入り。そして実相寺監督作のガバドンやシーボーズ、スカイドンの演出やコメディテイストがまた最高。そして映画作品にしても良いテイストの故郷は地球でのジャミラ…(T_T)

どの怪獣たちも個性があって造形も素晴らしくて、しかもストーリーにあっていて、楽しめるエンターテイメントに仕上がってますよね。平成の怪獣たちが中々印象で勝てないのもなんとなくわかりますよ。まぁ自分が大人になってしまったからかなとは思いますが…。

出演者も科特隊、皆が印象的で個性豊か。武器開発もするイデ隊員、マルス133でバルタン軍団を撃ち落とすあたりは面目躍如。また名作小さな英雄でウルトラマンさえいれば自分達はいらないと考え、ピグモンに助けられ立ち直るシーンも素晴らしかった。スパーク8でジェロニモンを粉砕しました。猪突猛進で射撃の名手アラシ隊員。対ザラガス戦の撃つなアラシ!は主役回。スパイダーショットを構えた勇姿は忘れられません。全編を通してのこの二人のコメディリリーフぶりも素晴らしかった。そしてムラマツキャップは小林昭二さん。演技力が素晴らしく、正に隊長。立花藤兵衛で仮面ライダーにも長く出演。正に昭和特撮の立役者でしたね。紅一点には桜井浩子さんが。ウルトラQから連続ヒロインでした。おきれいな方でした。

主役のハヤタ隊員は正にヒーロー、真面目で優しくて、二枚目で。でも肝心な時にいない…(笑) ベータカプセルでウルトラマンに変身してますから。意外に一番個性が出しにくいのかなと。ただスカイドン戦でスプーンとベータカプセルを間違えて掲げるお茶目さは楽しかった。

後…準レギュラーの博士役には平田昭彦さんが。ジェットビートルを宇宙に飛ばすよう改造したり、あのペンシル爆弾を発明したり、活躍します。流石、ゴジラを倒した唯一の人間(笑) 

やっぱりラスト、さらばウルトラマンを語らない訳にはいかないですよね。あのラストは地球は人類の星、自分達で守らなければならないと言う素晴らしいラストであり、ウルトラマンが負けると言う強烈なトラウマを残した衝撃のラストでした…。

ゼットーン!

ゼットン星人が呼び寄せた最強、最悪の怪獣、ゼットン。スペシウム光線を跳ね返す装甲と一兆度の火の玉を吐くウルトラマンの天敵。カミキリムシをモチーフにした姿も勇ましく、電飾も鮮やかな黒のボディ。ウルトラマンの技を破り、カラータイマーを破壊。倒れたウルトラマンを宇宙警備隊隊長ゾフィーが助けに来ます。ですが…ゼットンとは戦わない。科特隊がゼットンを倒すんですね。平田昭彦演じる岩本博士が発明したたった一発しかないペンシル爆弾を発射。空中に浮き上がり爆散するゼットン。赤い玉となりゾフィーと地球を跡にするウルトラマン。ありがとうウルトラマン!の見事な完結でした…。

数々のウルトラマンが今も描かれています。子供たちのヒーローは幾世代にもわたり、ヒーローであり続ける。その始まりであり、名作。見ていない方には是非ですね。
滝和也

滝和也