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ホミサイド/殺人捜査課 シーズン1のQMのレビュー・感想・評価

5.0
言葉を尽くすことは観念を伝達しようとする上でone and onlyな手段である。しかし、それとて全てを伝えることができないのは、実にもどかしい。
早く電脳化できたら良いのにと思ってやまないくらいに、この作品が大好きだ。
フィクションなのに、ドキュメンタリーを見ているような、「こちらからはこの流れを提供するから、後は君達が考えなさい」とでも言わんばかりの心憎い作品なのである。
ボルチモア市警殺人課の面々が、それぞれの担当ケースを持って捜査にあたる日常を描く「だけ」の作品である。
この独特のカメラワークや感情の起伏、空気感にあてられていただきたい。
映像作品なのに、非常に文学的な鑑賞後の感覚が生まれる作品である。
警察力の限界、刑事司法制度の矛盾、行政効率と予算、地方自治と連邦制統治、責任感と結果、このように書くとそうした類の作品に思えてしまうかも知れないが、おそらく観るのもよって受ける感想は異なる筈である。
だからどうか、一度、ワンシーズンだけでもご覧いただきたい。
本邦国内ではS2までDVDになっていて、TSUTAYAあたりで宅配レンタル可能な筈である。
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