Train

ヤング・ポープ 美しき異端児のTrainのレビュー・感想・評価

ヤング・ポープ 美しき異端児(2016年製作のドラマ)
4.2
『グランドフィナーレ』などのパオロ・ソレンティーノが監督・脚本を努めたドラマ。

47歳の若さでローマ教皇となった架空の人物レニー・ベラルドについて描く。メディア戦略として選ばれ傀儡教皇として機能するはずが即位した途端に今まで隠していた野望を表しバチカンを自分の帝国として建て替えていく。序盤は『ハウス・オブ・カード』のような印象を受けたが話が進むほどにレニーの人間性を描くことにシフトしていく。レニー・ベラルドという人間は面白い。表向きは破天荒な教皇として扱われつつも、実はそれほど悪い奴ではないのではと思わせるような描き方をされる。神などいない、信じないと言いながらも必死に誰かの為に祈る、そんな優しい一面も見受けられる。簡単に言えば彼は矛盾を抱えた人物だ。冷酷でありながらも繊細で、古風ながらに近代的。

映画でも何でもアメリカの作品は登場人物に黒白つけシンプルでしか描かれないものが多いからこの作品の人物描写はとても新鮮だった。

続編も期待したい。
Train

Train