Relishi

素晴らしきかな人生のRelishiのレビュー・感想・評価

素晴らしきかな人生(1993年製作のドラマ)
4.4
何年かに一度必ず観たくなる、野沢尚の好きなドラマ。
ツッコミどころの多い作品で、完成度で言うとそうは高くないと思うけれど、このドラマには生きることの全てが詰まっている。
そして様々な愛と家族の形が描かれている。初恋、幼馴染みとの情愛、激しい恋、憎愛、そばにいる愛、ひとりで育む愛、親子の愛。
結女(浅野温子)というひとりの女性が3人の男と娘と心からの幸せに辿り着くまでの生き様を描いているのだが、最終話の最後の最後での視聴者にしか知られない事実が悲しい。
それでも、彼女の人生は素晴らしいと言えるだろう。
この何年後かに訪れるであろう出来事に、新平(佐藤浩市)の泣き顔が浮かぶ。

娘の遥(ともさかりえ)がとにかく良くできた子で、3人の父親を全て愛し、母親の1番の理解者であり、誰よりも精神的に大人だった。

次から次に訪れる壮絶な展開に、観るのを止めることができないほど、あっという間に観てしまうのだが、暗さや重たさがない点がこのドラマはとても良いなと思う。
あくまで、どんなに苦しい人生にも素晴らしい瞬間があるのだ、ということが物語の大前提にあるのだ。

それにしても野沢尚作品の佐藤浩市は本当に良いなぁ。彼の演技にずいぶんと泣かされた。

ひたむきで真っ直ぐな愛は人を打つ、いろんな人に観てもらいたくなるドラマ。
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