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俺のスカート、 どこ行った?のこのレビュー・感想・評価

俺のスカート、 どこ行った?(2019年製作のドラマ)
4.2
突飛すぎるけどこれぐらいがドラマって感じがして懐かしい気持ちにもなる作品です。
そして、伝説の教師をデフォルメかつ洗練させるという矛盾するようなことをやってのけた素敵なドラマです。

ゲイで女装家だからこそ世の中をフラットに観察していて説得力も出るという原田先生の存在は、現実世界の偏見の裏返しのような教師像な気がしていました。。
ただ、実際にはゲイで女装家という設定に頼る場面は少なく、行動は破天荒だけど伝えることは正論というキャラクターで、作中の登場人物たちと同様に尻上がりに原田先生に引き込まれていきました。
そんなゲイの皮を被った「普通」の熱血教師の集大成となる第7話はこのドラマのハイライトです。

当然、学園更生ドラマ特有の序盤の不快感は高いです。
ただ早い段階で生徒の理解を得て戦う相手がクラス内ではなくクラス外に移る展開になっているため、すぐに不快感も薄れていきます。
さらに、生徒を一人の人間として扱う原田先生だからこそ時に涙してしまうくらい重みのある人生観を味わえます。

共演者については生徒役が将来有望な若手多数で楽しめました。すでにブレイクしていた若手多数だった3年A組に比べ今作で存在を知った俳優さんも多かったので今後の活躍が楽しみです。
教師陣では序盤は松下奈緒さんの無駄遣い感がありましたが、後半はいい存在感でした。
シソンヌじろう、荒川良々、大倉忠義というコメディに特化した教師陣の掛け合いの場面では、序盤こそ狙いすぎて滑り気味かなと思う場面が多かったですが、後半は楽しみのひとつになっていきました。
白石麻衣さんのコメディエンヌとしてのポテンシャルを垣間見る場面も多々でしたが、スケジュールの都合か職員室シーンでいない場面が多く前述の3人と絡むシーンが限られていたのが残念です。
桐山漣さんもハマり役で嬉しい限り。

第3話
第1話ラストのあの破天荒は結構生きてくるんですね。
光岡と原田の対峙は胸が熱くなるシーンでした。そういうシーンでも最後ボケて落とすのはちょっとクールダウンさせすぎな気もしますが定番化したノリなので仕方なしです。
白石麻衣さんもハマり役だなと実感しました。
スコア3.6→3.8

第5話
田辺桃子さんゲスト回。

第6話
白石麻衣さんフィーチャー回。

第7話
「ゲイだからって特別なこと言うわけじゃない」
この作品を表したセリフがカッコよすぎる一話。
スコア3.8→4.2

最終話
解決すべき問題がなくなってしまった今となっては物語の盛り上がりをどこに持っていくかというところで、もう少し説教クサいラストで泣かされる気満々だったので少し消化不良。
ただ、総じて清々しい最終話ではあったので満足です。
こ