あちゃこ

TRUE DETECTIVE/トゥルー・ディテクティブのあちゃこのレビュー・感想・評価

4.0
ユージュアルサスペクツ風の事情聴取(現在)と回想という形式は謎が二重(事件そのものの謎と、なぜ事情聴取されてるのか)になってておもしろいよね。

特に潜入捜査のくだりはもう本当にすごかった。カメラワークから演出から。ゲームみたいな視点が興味深かった。
わざわざあれこれ言うまでもなく全話すんばらしいクオリティ。

コールの、娘が死んでしまったことから、世界に対して徹底して何も期待せず無意味であるとする姿勢は共感する。愛する人が死んでしまう世界だなんて、世界の方が間違っているのだ。

ただマーティンのクソ加減がやや気に触る。男女の非対称性は自覚してなされているのか微妙なところ。
「女が性を商売にしたとたん男が騒ぎ立てるのはなんでだと思う? なぜなら女を自分の支配下におけないのが気に食わないからだ」的なセリフがあったことを考慮して、

マーティンの女性蔑視的行動(自分は浮気しても仕事が辛いから許される、浮気がバレたときは浮気相手がイカれた女だからと責任転嫁、妻のマギーが浮気したときは平気で淫乱だという)から、
特に娘への過度な父権的振舞いによって、妻からも娘からも見放される、
というのは腑に落ちそうなもの。

しかし、マギーは結局はずっとマーティンのことを気にかけてるし、マギーが浮気するのもマーティンを傷つけるためだ、というものだから、やっぱり微妙。

マギーや浮気相手たちがもっと人間的に描かれてたら納得したけど。

とはいえ、女をまともに馭せないくせに女に手を出しまくっては、コールに何手もとられていく情けなさはよく描かれていた。とにかくひたすらダサかったから、まあよしとするか。
あちゃこ

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