ソウキチ

TRUE DETECTIVE/トゥルー・ディテクティブ <セカンド・シーズン>のソウキチのレビュー・感想・評価

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南部人外魔境モノだった前シーズンから魔都LAモノへ。
要所要所で挿入される空撮のハイウェイが、まるで悪魔の動脈のごとく脈打つ。それぞれの土地にあわせた画面のアプローチは正解だと思う。
また、時系列を反復するバディ物だった1stシーズンから、一本筋のタイムラインで四人の群像劇を主軸にしたナラティブの変遷も、傑作と名高い前シーズンと同じものを作らないという攻めの姿勢が伺える。

いかんせんサビにあたる部分が4話の銃撃戦くらいしかなく、あきらかにキャッチーさに欠け全体としては地味で冗長な仕上がりになったように感じる。人物名や企業や土地の名前など情報量も多く、字幕でストーリーを把握するにはそれなりの集中力が求められる為、長尺のドラマとして完走までのハードルが高め。かといって役者の演技を見たいシリーズでもあるので吹替で見るのも勿体無い気もする。

どのみち理解が難しいならいっそオープニングクレジットのイメージそのままに、もっとLA物らしい不条理劇に舵を切ってもよかったと思う。ラストのヴィンス・ヴォーンとコリン・ファレルには流石に泣いた。
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