シリーズの中では1番コンセプチュアルな作品。時間と物語をテーマとしているのかな。
時系列をバラバラにしたり出来事をすり替えたりできるのはフィクションの特性だけれど、認知症で時間や記憶があやふやになった主人公の頭の中と相関するようになっている。さらに、奥さんが事件についてのノンフィクション小説を書いてて、それを読み返しながら過去を追うという状況もうまく呼応している。
みてるこっちもいつの話だかわからんくなってきて巧妙。
ただ刑事物としてはいささか間延び。謎が深いから解決できないというより、捜査しようにもできなくて解決できないってのが多すぎてさすがにもやもやした。(全シリーズ上からの圧力かかってんだが、今回のはもうまったく捜査できないし仲間とも連携できないので普通に捜査や謎解きを見たい民には歯痒すぎる笑)
ひたすら正義皆無の状況に疲れ果てた最終話で全部ひっくり返すハッピーエンド。むくわれたのシリーズ初ですね。
