このレビューはネタバレを含みます
キャリアとノンキャリアの壁が厳然と存在する霞ヶ関。
外務省のノンキャリアが起こした横領を追う、同じく霞ヶ関の警視庁情報課の物語。
横領の額も金の流れも官邸を絡める大きな汚職事件となるが…。
世紀をまたぐ長い捜査と公判はノンキャリアの詐欺ということで一件落着とされた。
一応フィクションとなんでいるがこれは実際にあった伏魔殿のラスプーチンと言われたあの事件のことだろう。
当時の田中真紀子外相は今はもう政治家から退いている。
エンディングに外交機密費の官邸への上納の件は民主党政権に代わって鳩山首相がその存在を認めたと出たがその鳩山氏も今は政治家ではない。
長いドラマだったが村上春樹のエルサレム賞の際のスピーチを思い出した。
「もし、硬くて高い壁と、そこに叩きつけられている卵があったなら、私は常に卵の側に立つ。」
ドラマWはいつもキャスティングが面白いがこの配役もなかなかだった。