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記憶 ~愛する人へ~のwhochanmisakiのレビュー・感想・評価

記憶 ~愛する人へ~(2016年製作のドラマ)
4.8
11月20日視聴開始、全16話。
病と夫婦愛・家族愛がテーマなんだろうと思い込んで、見るのを後回しにしていたが、1話から良い意味で大きく裏切られて、ぐいぐい引き込まれている。弁護士活動が存分に見られそうで、社会派ドラマとしても楽しみ。
イ・ソンミンが絶賛されているのがよくわかる。演技力に加えてすごい人間的な魅力を感じる。
大好きなドラマ「ピノキオ」のときのような鳥肌モノの感動を味わえそうな予感。

昨日から頭の中にこのドラマ世界が住み着いてしまった。空き時間をすべて視聴に充てて6話まで来た。
パク・テソク弁護士(イ・ソンミン)のアルツハイマーの症状が進行するのと並行して起きるさまざまな事件(医療事件の内部告発、医師の自殺、子の養母と実母の争い、15年前のひき逃げ、財閥の婿のひき逃げ、カードを盗んだ女子高生、息子ジョンウのいじめと反撃…etc.)、それらに取り組むテソクとチョン・ジン弁護士(ジュノ)、見応え充分。ポン秘書(ユン・ソヒ、なんてエロカワいいんだ)のテソクへの信頼と思い遣りに温かい気持ちになれる。
妻ヨンジュ(キム・ジス)が夫テソクのアルツハイマーにやっと気づいたのでホッとした。
まだ佳境に入る前だがすでに名作と呼びたい。テソクが大森南朋に見えるときがある。ここまでスコア4.5。

7話、神回。繰り返し見ている。息子ジョンウの校内暴力を処分するための保護者会でいじめっ子たちやその親の糞理事長を堂々と弁論で説き伏せた父親テソクに鳥肌が立った。友人キム・ミョンスが自分の罪と糞理事長息子の悪事を勇気を奮って証言し、クズだった担任(印象に残る気になる女優)が理事長に抗弁して退場させ、ミョンスの父親がテソク父子に頭を下げる、嗚呼、人間は変われるんだなあ、わたしの心の汚れも少し落ちた気がする。スコア5に。

さらに15年前に弁護を降りた殺人犯(冤罪?)に面会、家族を捨てて若い女のもとに去っていた父親との確執、窃盗女子高生が受けていた猥褻行為、糞屑副社長のDV離婚訴訟の弁護…etc.が絡み合いながら並行して進行、見応えがありすぎる。近年の日本のドラマ(放映中の「エルピス」を除く)ではめっきり見られなくなった重厚で緻密に丁寧につくられたドラマに痺れている。

後半、重層的な構成がやや散漫な印象になったところもあったが、終盤、すべてが収束(冒頭の医療事件内部告発の暴露を除く?)する過程でまたぐいぐいと引き込まれた。
夫テソクの病が進むにつれて妻ヨンジュの表情がどんどん美しくというか観音様のようになっていくのが印象的。

15話のTV生放送で原稿を無視して、アルツハイマーと15年前の冤罪事件での過ちを告白するテソクにまた鳥肌、いちばん興奮したかも。大反響も嬉しかった。
そして最終回、病が進行するなかでの冤罪犯クォン・ミョンスの再審の法廷シーンに釘付け、感動。副社長シン・ヨンジンざまあ。不気味な婆婆ファン・テソンは自殺。イ・チャンム代表は?
ほんとは金と権力を使って正義を葬った奴らが社会的制裁を受けるシーンをもっともっと見たかったけど、ドラマの格調が下がるか。
11月23日視聴完了。

普段ドロドロのマクチャンドラマを好んで見ているわたしですが、このドラマは何度も泣けて、その度に心が洗われました。ひとりでも多くの人に見てほしいドラマです。
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